介護のつらさ

 

家族の介護をしている人にはさぞかし大変な苦労があるだろうということは、容易に想像がつきます。しかし具体的にどんなことがつらくて何を手助けしてほしいのか、それは当事者でなければわからないことが多くあります。

 

家族の介護をしている人が皆、同じ状況ではありません。お年寄りの健康状態、性格、生活スタイル、介護者の置かれている状況等が違えば苦労も様々です。

 

介護の対象も年老いた親であったり病気を持つ配偶者や障害のある子どもであったりと、いろいろです。

 

介護に悩み、心中してしまうという悲しいニュースもよく聞きます。医療の発達により長寿国となった日本では、介護生活が3年、5年、10年と長くいつ終わるかわからない状況となり、先が見えないつらさから介護者が精神的にまいってしまうのも無理はないかもしれません。

 

在宅介護はつらいのです。限られた時間の中でお世話をする施設スタッフでさえ離職率が高いと言われているのに、在宅介護をしている介護者は24時間年中無休で家族のお世話をし、離れられないのです。

 

施設スタッフが仕事と割り切っていればお年寄りのわがままも繰り返し聞けるでしょうが、これを四六時中聞いている家族だったら冷静さを失ってしまうこともあるでしょう。

 

日本では我慢して耐えることが美徳として捉えられることがありますが、介護に関して言えば、忍耐を続けて介護をしているといつか正常な判断ができなくなり、生きる気力を失ってしまうと思うのです。

 

周囲の人も「昔から親の面倒は子どもが見てきたのだから」と、耐え忍んで親の介護をすることが当たり前という目線で介護者を見てはいけません。

 

「我慢して耐えるなんて、やってられない」と自分に言い聞かせ、自分ばかりが犠牲にならず、介護される側と自分とが互いに納得できる道を見つけていきましょう。